natural-ring コイデなきもち。。。

自然とのつながりを感じていたい。日常で出会った環な気持ちを綴ります。

里山を楽しむ

 

子どもたちと行ってきた笹刈りで、林床に太陽の光が差し込むようになった成果により、都会では貴重となったオレンジ色の花を咲かせる、ヒガンバナ科のキツネノカミソリが徐々に増えてきた雑木林。葉っぱが枯れたあとに茎だけのばし、花を咲かせます。毎年、自分が楽しみにしている夏の野草です。

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8月18日の土曜日、年に2回行っている、里山キッズスペシャル。

夏休みに、里山キッズに参加する子どもの保護者を招き、普段どんな活動を行っているか、子どもたちの活動の成果を見ていただくとともに、里山を楽しんで頂こうという企画で、毎年行っています。

今年のスペシャルは、里山の竹を使った流し素麺。2か月前から、この日のために子どもたちは、活動の合間に竹を切り、お椀をつくったり、箸を作ったりして、楽しみにしてきました。

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スペシャルの当日は、スタッフが早く集まり、竹を切って枝を払い、二つに割って、節をとって奇麗に削り、素麺が流れるように設置しました。裏方は6キロの素麺を茹でています。以前は、保護者の方と一緒に、竹の切り出しから素麺台への設置までやっていただいたのですが、あまりにも時間に追われるので、今回の準備は事前に行うことにしました。ただ流れるだけでは面白くないということで、落差をつけたり、色々工夫をこらして、こちらが楽しんでいました。

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ところが、素麺台を設置し、6キロの素麺も茹であがり、そろそろ食べようという時間になって、雷とともに、大雨。素麺は流れず、雨水だけが竹の樋を流れる始末。

残念だけど、屋内で食べ始めたのですが、「流し素麺したかった」という流し素麺を体験したことのない、今年度から参加している小学1年生の子どもの一言が自分の胸に刺さってしまい、急遽、ブルーシートをかけて素麺台の位置を変えてやることにしました。

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雨のため、室内で素麺を食べていた子どもたちは、お腹がいっぱいになったにもかかわらず、ブルーシートを被ったことを知ると、建物から飛び出してきて、流し素麺を楽しんでいます。面白いのは、右利きの子どもでも、流れてくるほうに向かって、右側に位置どりし、素麺を捕まえる箸が逆手になっていて苦労しているのが、次第に学習して左側に位置を変えたこと。

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どうすれば、たくさん取れるか、本能で判断しています。それにしても、流し素麺は、沢山取ると、つゆが薄まって水のようになってしまうのですが、子どもたちがお構いなし。流れてくる素麺を、お椀に山のように溜めて美味しそう?に食べています。素麺だけでは飽きるかなと思い、短く切ったキュウリやミニトマトを流そうと準準備していましたが、その前にお腹いっぱいになってしまったらしく、余った具材はスタッフの夕食となりました。

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流し素麺のあと、デザートに、夏と言えばということで、スイカ割り。目隠しして10回まわしてスイカの近くになったら、右!左!後ろ!とか皆で指示しますが、なかなか割れません。初めは恥ずかしがって自分は参加しないと言っていた子も、みんながやるのを見ていて自分もやりたいと挑戦しています。

 

普段は里山で草や笹を刈ったり、落ち葉を集めて腐葉土を作ったり、木を切ったりしていますが、たまに里山を楽しむというプログラムとして、桑の実のジャムを作ったり、柿を竹の棒を使って取って食べたりということをしています。今回は、竹を切り出し、お椀や箸を作り、そして素麺台に使うという、竹の活用とまではいきませんが、里山を楽しむことを感じてもらうことを目的としたイベント。主催者側の意図をどこまで感じてくれたかは判断できませんでしたが、食べるプログラムは、子どもも親も楽しめるものだと改めて思いました。また、今回は、親御さんに一品持ち寄りをお願いしていたので、キュウリの糠漬けしぐれ煮など、色々な我が家特性の食べ物が持ち寄られ、中には、お父さん特性のカニ入り卵焼き!と嬉しそうに皆にふるまう子どもの姿が印象的でした。

 

とっても楽しいひと時を過ごしたのですが、残念なのが終了間際から、空が晴天になり夏の日差しが戻ったこと。あと1時間、雷雨が持ってくれたらと、ブルーシート掛けなどをしてずぶ濡れになった自分は、空を恨めしく眺め、来年は晴天になるよう祈りました。

 

年に2回、親御さんを招いた里山キッズスペシャル。もっともっと保護者がプログラムに積極的に関わるような内容にして充実させていきたいと思っています。

 

追伸:自分たちは一口も素麺を食べられなかったなーと思いつつ、竹の樋からこぼれて地面に落ちた素麺を拾い集め、池の鯉たちにごちそうを振る舞いました。

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