natural-ring コイデなきもち。。。

自然とのつながりを感じていたい。日常で出会った環な気持ちを綴ります。

植物ってすごい

 

世田谷ではとても貴重なゲンノショウコが咲き始めました。この辺では珍しく白では無く赤い花。この草を食べると病気が治るとう「現の証拠」が名の由来。植物は食べて美味しかったり薬になるものもありますが、中には死にいたらしめる毒を持つものまで色々あります。

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世田谷の民有地の緑を守るため、財団法人世田谷トラストまちづくりが、土地の所有者と契約を結び、市民に公開する「市民緑地」として公開予定の緑地で、公開に向けた整備が真夏に行われています。雨が降らず、毎日強烈な太陽の日差しを浴び、地面はカラカラで荒野のようでした。

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公開するための手続きがあり、しばらくそのままの状態だったのですが、いよいよ公開を迎えるということで、整備終了して1ヶ月後に訪れると、あの土埃が舞う荒野のような地面に、嘘のように雑草が生い茂っています。

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土地を造成したばかりの裸地は、放っておくと真っ先に猫じゃらしとして親しまれているエノコログサをはじめ、メヒシバなどのイネ科の植物やアレチノギクなどの1年草があっという間にはびこってきます。それにしても、春~晩秋にかけて、芽を出して花を咲かせて枯れる1年草は、子孫を残すためものすごい繁殖力です。地面が割れるほどの夏の日差しを浴びても、しっかり草を伸ばし、あっという間に草がぼうぼうとなってしまいます。プランターで育てている植物などは、夏は朝と夕に水をあげないと萎れてしまうのに。。。

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植物の凄さという点では、特定外来生物のアレチウリが、いつの間にか多摩川や野川の岸辺にはびこり、太陽光を遮られた草花や野鳥の生息場所を狭めています。細かい刺がたくさんあるアレチウリが繁茂した場所は、野鳥も近づけないため、野鳥を愛する人々が中心に除去作業をしていますが、焼け石に水の状態。アレチウリの繁殖力に除去作業する回数やボランティア人数が追いつかないこともあるのでしょうが、とても細い刺が除去作業業着の袖やズボンに刺さり、色んなところが痛くなるため、次回も草抜き作業をしようという気持ちを減退させてしまうのも、増殖を抑えられない要因ではないかと思っています。

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根を張ったら動くことができない植物が子孫を残す術として、旺盛な繁殖力や刺や毒を作ることで我が身を守り、子孫を残すために進化してきたと思うと、改めて植物ってスゴイ!と感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スズメバチトラップ

 

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ブルーベリーの実がたわわに実り、コスモスが咲き始めるのを見ると、暑かった夏も終わりに近づいた感じがします。里山ではシオカラトンボが姿を消し、アキアカネが群れをなして野原を飛び回っています。

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今日も、町田市成瀬の林で、子どもたちと生き物探しをしながら楽しいひと時をすごしました。

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ただ、これからの時期、スズメバチが攻撃的になるため、里山あそびも安心していられません。成瀬の保育園は林と離れていて、毎日行くこともないので、まだ安心なのですが、自分がもう一つ通っている町田市忠生の保育園は、林に囲まれているため、園児はスズメバチと毎日のように遭遇しています。そんな心配もあり、午後は忠生の保育園に移動し、スズメバチトラップをしかけてみました。

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トラップに用意したのは、砂糖300グラム、水1リットル、カルピス、グレープジュース、お酢とお酒少々。すれを2リットルのペットボトルに入れてシェーク。

ほどよく混ざったら、ペットボトル8本に分け、スズメバチが入れるように穴を空けて完成。トラップの液を小分けにしていると、部屋には甘酸っぱい芳醇な香りが漂います。

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トラップが完成したら、後はスズメバチが見つけてくれそうな適当な木にしばりつけます。うまくいけば、匂いに誘われ、穴から中に入ってくれます。一度入ったら、トラップ液に羽が濡れ、飛べなくなってしまいます。来月、どれだけ入っているでしょうか。

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生き物を大切にしようと日ごろ子どもたちに教え、スズメバチに出会った時はどうするかもしつこいほど伝えているのですが、いくら伝えても、きっとそのような状況に遭遇すればきっと手ではらったり逃げたりするのでは?と思います。

スズメバチには申し訳ないけれど、園児と接する距離があまりにも近い場所であるので、ここはおとなしくトラップにかかってほしいと思います。

8か所しかけたトラップ。次に自分が訪れるのは10月。来月どれほどスズメバチがトラップに入っているか、楽しみです。

 

 

 

都市の自然観察の楽しさ

 

ツクツクホウシの勢いが増し、朝夕の空気が、秋の気配を感じられるようになってきました。年々、猛暑日が増え、クマゼミが当たり前のように鳴く世田谷。子どものころの夏はもう訪れないのでしょうか。

今年の夏は、久しぶりに出会った生き物たちがいたなと、振り返っています。

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食草のスミレ類に卵を産んでも、越冬できなかったアサギマダラが、ガーデニングによる冬のパンジー、ビオラが増えたことと、温暖化のおかげで、2年前から当たり前となっています。

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以前は、ゴマダラチョウが普通に見られていたのに、いつの間にか、このチョウに代わってしまい、最近見れないなと思っていたら、成城の緑地で飛んでいました。

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なんて思っていたら、同じ緑地で今度はタマムシ。10年ぶりに出会いました。

カブトムシやノコギリクワガタは、珍しいといっても、みんなの目があるからか、結構毎年見つけているのですが、ゴマダラチョウとタマムシは久しぶりです。

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そういえば、今年はヤモリをよく見かけました。自分の家では毎夜、ヤモリが玄関で家を守ってくれています。

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コバルトブルーの尻尾が奇麗なニホントカゲも、久しぶりに家の周りでよく見かけました。そういえば、カナヘビもいつになく良く見かけた気がします。

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庭の草むしりをしていると、ゴマダラカミキリ。家の周りで出会うのはもう何十年ぶりでしょうか。嬉しくなって捕まえて眺めると、キューキューと鳴いています。カミキリムシは、色んな種類がありましが、それぞれ模様が色々あって、ディティールの美しさを感じる昆虫です。ゴマダラカミキリの模様は、ウルトラマンの最終回に出た最強の怪獣、ゼットンの背中のモチーフとなっています。

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今年は、久しぶりに出会う生き物が多いなと感じているなか、車の往来が激しい環状八号線沿いにある桜丘すみれば自然庭園でも、大きな話題が起こりました。

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この公園は、以前広大な敷地の民家だったところを世田谷区が購入した公園。化粧品関係のシュウ・ウエムラが育ったところで、シュウ・ウエムラのお父さんが武蔵野の林を再現するというコンセプトで作庭し、コナラやクヌギなどの木々が被う素敵な公園です。公園解説にあたり、地域住民とワークショップを行い、公開後も地域住民グループにより、自然解説や保護活動が行われています。

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なんと、日本で1000羽しか生息していないという、ミゾゴイという野鳥が舞い降りたとか。残念ながら自分は見ることができませんでしたが、そこに集う地域住民グループの方たちは、連日カメラと三脚を持って撮影に熱狂したそうで、力作の写真展を公園内の観察センターで行ったのを見に行ってきました。

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世田谷は、国分寺崖線という緑の連なりと、多摩川という水辺環境があることから、生物相は豊富です。また、社寺林や屋敷林、かつての小河川を暗渠化した緑道、環状八号線などの主要幹線道路の植樹など、緑がほうぼうに点在しているため、渡りの途中のカッコウやサンコウチョウ、クロツグミなど、お!と思う野鳥に出会えます。

 

毎年、同じフィールドを見ていますが、久しぶりに出会ったり、今まで見たこともなかった生物を見つけることができるのが、84万人も暮らす世田谷という街の自然の魅力と思っています。見続ける楽しさが、世田谷にはあります。

 

 

 

 

 

大自然の美しさ

先日、涼を求めて実に小学校修学旅行以来となる、日光へ出かけてきました。目指した先は、東照宮華厳の滝といった、観光スポットを通り越し、湯滝。  

真夏の青空の下、勢いよく落ちる滝の水しぶきは、マイナスイオンに満ちて、胸いっぱいに空気を吸い込んでいると、体の隅々まで生き返り、元気になります。

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滝の上は、湯ノ湖。なんとなく硫黄の匂いが周辺に漂っています。滝の落ち口を眺めると、その50mの落差に息をのみ、ずっと見ていると、吸い込まれるような感覚に襲われます。

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その後、戦場ヶ原を散策。平日の午前中は人も少なく、とても静かな時間が流れています。歩き始めた林床のクマザサは、膝くらいの高さ。雪が積もるためか、世田谷では胸くらいの高さまで繁茂し、膝くらいの高さを維持するには、定期的に笹刈りをしなくてはならないのに、ここでは自然に抑えられています。

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少し歩くと、戦場ヶ原。昔々、中禅寺湖の領地争いで、下野国(栃木県)の二荒神(男体山)が大蛇に、上野国(群馬県)の赤城神(赤城山)がムカデがに化けて戦った戦場だったという伝説の地。小学生のころ、なんで戦場ヶ原というのか、調べさせられた記憶と、いやいや歩いた思い出がよみがえりました。

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いつから、自然が好きになったのかな?と考えながら、今では大好きな自然の中をウキウキとした気分でシモツケの咲く散策路を小1時間ほど歩きました。

普段、人が積極的に関わることで守られる里山の自然環境の保全活動をしておりますが、このような、長い長い時間をかけて形成されてきた、人の手が及びようもない大自然に触れると、その美しさに圧倒されます。人間は大自然に比して、ほんの一瞬の時間を生きているにすぎず、自然を征服するとか、自然をコントロールしようとすることのおこがましさを感じてしまいます。

時々、大自然に触れることは、自分にはとても必要なことだと、改めて思う日帰り旅行でした。

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もうすぐ、赤トンボも里におりていくのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

里山を楽しむ

 

子どもたちと行ってきた笹刈りで、林床に太陽の光が差し込むようになった成果により、都会では貴重となったオレンジ色の花を咲かせる、ヒガンバナ科のキツネノカミソリが徐々に増えてきた雑木林。葉っぱが枯れたあとに茎だけのばし、花を咲かせます。毎年、自分が楽しみにしている夏の野草です。

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8月18日の土曜日、年に2回行っている、里山キッズスペシャル。

夏休みに、里山キッズに参加する子どもの保護者を招き、普段どんな活動を行っているか、子どもたちの活動の成果を見ていただくとともに、里山を楽しんで頂こうという企画で、毎年行っています。

今年のスペシャルは、里山の竹を使った流し素麺。2か月前から、この日のために子どもたちは、活動の合間に竹を切り、お椀をつくったり、箸を作ったりして、楽しみにしてきました。

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スペシャルの当日は、スタッフが早く集まり、竹を切って枝を払い、二つに割って、節をとって奇麗に削り、素麺が流れるように設置しました。裏方は6キロの素麺を茹でています。以前は、保護者の方と一緒に、竹の切り出しから素麺台への設置までやっていただいたのですが、あまりにも時間に追われるので、今回の準備は事前に行うことにしました。ただ流れるだけでは面白くないということで、落差をつけたり、色々工夫をこらして、こちらが楽しんでいました。

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ところが、素麺台を設置し、6キロの素麺も茹であがり、そろそろ食べようという時間になって、雷とともに、大雨。素麺は流れず、雨水だけが竹の樋を流れる始末。

残念だけど、屋内で食べ始めたのですが、「流し素麺したかった」という流し素麺を体験したことのない、今年度から参加している小学1年生の子どもの一言が自分の胸に刺さってしまい、急遽、ブルーシートをかけて素麺台の位置を変えてやることにしました。

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雨のため、室内で素麺を食べていた子どもたちは、お腹がいっぱいになったにもかかわらず、ブルーシートを被ったことを知ると、建物から飛び出してきて、流し素麺を楽しんでいます。面白いのは、右利きの子どもでも、流れてくるほうに向かって、右側に位置どりし、素麺を捕まえる箸が逆手になっていて苦労しているのが、次第に学習して左側に位置を変えたこと。

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どうすれば、たくさん取れるか、本能で判断しています。それにしても、流し素麺は、沢山取ると、つゆが薄まって水のようになってしまうのですが、子どもたちがお構いなし。流れてくる素麺を、お椀に山のように溜めて美味しそう?に食べています。素麺だけでは飽きるかなと思い、短く切ったキュウリやミニトマトを流そうと準準備していましたが、その前にお腹いっぱいになってしまったらしく、余った具材はスタッフの夕食となりました。

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流し素麺のあと、デザートに、夏と言えばということで、スイカ割り。目隠しして10回まわしてスイカの近くになったら、右!左!後ろ!とか皆で指示しますが、なかなか割れません。初めは恥ずかしがって自分は参加しないと言っていた子も、みんながやるのを見ていて自分もやりたいと挑戦しています。

 

普段は里山で草や笹を刈ったり、落ち葉を集めて腐葉土を作ったり、木を切ったりしていますが、たまに里山を楽しむというプログラムとして、桑の実のジャムを作ったり、柿を竹の棒を使って取って食べたりということをしています。今回は、竹を切り出し、お椀や箸を作り、そして素麺台に使うという、竹の活用とまではいきませんが、里山を楽しむことを感じてもらうことを目的としたイベント。主催者側の意図をどこまで感じてくれたかは判断できませんでしたが、食べるプログラムは、子どもも親も楽しめるものだと改めて思いました。また、今回は、親御さんに一品持ち寄りをお願いしていたので、キュウリの糠漬けしぐれ煮など、色々な我が家特性の食べ物が持ち寄られ、中には、お父さん特性のカニ入り卵焼き!と嬉しそうに皆にふるまう子どもの姿が印象的でした。

 

とっても楽しいひと時を過ごしたのですが、残念なのが終了間際から、空が晴天になり夏の日差しが戻ったこと。あと1時間、雷雨が持ってくれたらと、ブルーシート掛けなどをしてずぶ濡れになった自分は、空を恨めしく眺め、来年は晴天になるよう祈りました。

 

年に2回、親御さんを招いた里山キッズスペシャル。もっともっと保護者がプログラムに積極的に関わるような内容にして充実させていきたいと思っています。

 

追伸:自分たちは一口も素麺を食べられなかったなーと思いつつ、竹の樋からこぼれて地面に落ちた素麺を拾い集め、池の鯉たちにごちそうを振る舞いました。

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自然エネルギーの薪

 

 

毎日暑い日が続きます。溜まったデータを整理していて見つけた写真。少しでも涼を感じていただければ。

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今年の2月、スウェーデンの青年と結婚し、ストックホルム郊外のブロウという街で暮らす姪っ子に第一子が誕生したというので会いに行ってきました。環境立国のスウェーデンの森林利用についても見聞しようというのも、もうひとつの目的で。

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ストックホルムから電車で40分ほど、宅地造成が進んでいる一角に姪っ子夫婦は暮らしています。築2年と新しい家ですが、家の真ん中には当たり前のように薪ストーブがしつらえてあります。

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近くを散歩すると、すぐ隣の古い集落は「薪村」という地名。きっと最近まで一帯は森林が広がり、樵も多く暮らしていたんでしょう。雪の上に兎の足跡があちこちに見られます。

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数日後、自分が森林に感心のあることを知っている姪っ子夫婦は、ブロウから車で3時間弱の森林地帯で、シャワーや温水、床暖房を全て薪ボイラーで暮らしている、彼の父親の家に連れて行ってくれました。煙突から煙を出した、可愛らしい家の前に、とても人懐こい猫が出迎えてくれています。

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一日の暮らしは、朝起きて森を散歩した後は、昼までのんびり過ごし、午後から薪割りをして3時過ぎに薪をボイラーにくべて炊き、夕日をみながら2度目の散歩をする。実にゆったりとした時間が流れています。サラリーマン時代は保険会社で調査員をしていて昼夜問わず忙しい生活だったそうですが、ここでの暮らしは自然と調和していることが実感でき、心豊かに暮らせると、とてもワイルドな顔つきなのですが、とても穏やかな表情で語っていました。

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森林国で環境立国のスウェーデンでは、森林資源の木質バイオマス利用の意識が高く、また日本のような急峻な地形でないため、大型機械が山の奥まで入れることから、日本と比較にならないほど林業が盛んです。伐採して枝葉を払い、当分に丸太を切るハーベスタや、木材を林道まで運ぶフォワーダという機械も、輸送するトラックも超ビッグサイズ。スケールの違いに唖然とします。また、切りはらわれた枝葉は、砕いて圧縮し、ペレットにして燃料に使う。木質バイオマスを無駄なく有効に使っています。伐採地を見ると、野鳥の止まり木のためか、生態系の連続性を分断しないためなのか、ところどころに木を切らずに残してあります。たぶん自然環境に配慮しているのでしょう。ただ、彼の父親は大型機械で一気に伐採するやり方は、自然環境が急に変ってしまうのと、地面がめちゃくちゃになってしまうので、とても好きになれないと苦々しい顔で、伐採地を案内しながらため息をもらしていました。残念ながら、雪で積もっていたので地面を見ることはできませんでしたが、想像に難くありません。

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日本では、木材価格の低下により間伐などの管理が行き届かず、山村では高齢化による過疎化が問題となっています。また、石油・ガス・電気にエネルギーがシフトしたため、薪の需要は無くなったことにより定期的に伐採されてきた里山の雑木林も放置され、ヤブになって生き物が住めなくなるばかりか、不法投棄の場となっています。最近では、管理放置され太くなったナラ類を好む虫により、ナラ枯れ病が全国に蔓延してきました。

 

今、日本では自然エネルギーへの関心が高まっています。太陽光や風力、地熱などのエネルギーも良いのですが、それらは一方的に自然の恵みを使っている関係です。しかし、注目度が低い木質バイオマスエネルギーの利用は、使うことにより山の管理が進み、自然環境が良くなり、結果的に国土の保全につながるといった、人と自然との循環する関係性が生まれるばかりでなく、山村の経済の活性化にもつながり、過疎化を喰いとめる期待が持てます。

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森林国の日本。山には管理がままならず放置されている、自然エネルギーの源がたくさんあります。スウェーデンのように、ストーブやボイラーなど、誰もが薪などの木質バイオマスをエネルギー源として、日常的な暮らしで当たり前のように使われる世の中になれば、日本の山の問題解決に大きく前進できるだろうと考えています。

 

多くの人が、木材を自然エネルギーとして使うことに感心が高まってほしい。

そんなことを強く感じた、今年の冬の旅でした。

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泥んこの生き物さがし

 

 

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町田の棚田も、夏の日差しを浴びて、稲がすくすく育っています。先日、保育園の子どもたちと、久しぶりに訪ね、谷戸から浸み出した湧き水を田んぼの用水に使うために溜めている池の中の生き物さがしをしてきました。

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タモ網でガサガサと泥をすくい上げ、何か動くものが無いかさがします。日照り続きで干上がり気味のため池は、網をすくいあげるといわゆるヘドロっぽい泥がいっぱいで、とても重いのですが、子どもたちは口をへの字に曲げながら、一生懸命すくっています。泥の中に何かいないか、泥を分けながら生き物を捜します。網をすくうことと、生き物をさがすことに夢中で、気付かないうちに網を振りまわしたり。いつの間にか、みんな泥だらけで、ちょっと芳しい香りが・・・。

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30分ほど探してみたら、ザリガニやヌマエビ、ドジョウなど色んな水辺の生き物を見つけました。見つけた生き物を小さな水槽にうつすのですが、ドジョウ掴みにくいため四苦八苦しています。触れない子、ちょっと触って動くとびっくりして手を放す子、野生児のように、ニョロニョロうごくドジョウを一撃で掴む子など、それぞれの性格が表れます。

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なかでも、最近あまり見なくなったゲンゴロウとタイコウチを発見できたのは、個人的に嬉しいことでした。

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保育園に戻ってから、今日見つけた生き物のスケッチ。ドジョウのひげは何本?エビの足は何本?などと質問しながら、前、後ろ、正面、上、下から観察し、スケッチすることにしました。ドジョウのひげの数をかぞえたり、手足がどこから何本出ているか、ヒレはどこの場所にあるか?など、細かいところまで観察させます。絵が上手下手ではなく、生き物の特徴をちゃんと掴んでいるかの練習です。

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時間をかけて描かせると、みんなしっかり特徴をとらえています。自分たちの自然体験指導では、虫や生き物を捕まえる体験だけではなく、じっくり観察することも意識しながら指導しています。これは何を表現しているの?と思って尋ねてみると、なるほど!と頷くことがしばしばあり、子どもの観察眼と感性の豊かさに驚かされます。    

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夏は生き物さがしのシーズン。生き物の不思議さや面白さを発見してほしいものです。

この子たちから、未来の生き物博士が生まれることを期待します。