笹刈り作業とお楽しみ~ツリーハウスプロジェクト#2~
今年は秋を楽しむ間もなく冬がやってきました。
薪を通し、都市と農山村をつなげる薪まきネット「薪バンク」プロジェクトを進める私たちは、多くの方の参加により、荒れた雑木林をかつてのような生き物が生息する環境を取り戻しながら、ツリーハウスを皆でつくって楽しもうという活動を9月より進めています。
2年後の秋には、明るい雑木林に野草が咲き、小鳥のさえずる森の奥に、かわいいツリーハウスが建っていて、都市と農山村の人々の交流の場となることを夢みています。
どんよりとした雲が垂れこめ、冬の気配を感じる11月9日の土曜日、2回目の活動を行いました。参加者は女性2名。スタッフ合わせて4名の活動となりました。
前回に引き続き、この日も笹刈り作業。前回刈った場所からさらに前進し、ヤブを切り開いていきました。親指ほどに太くなった笹を刈るため、道具は剪定ノコを使用。地面ギリギリに笹を刈り払っていきます。ここまで太くなった笹は、根っこに養分を残しているため、刈ってもすぐに新しい笹が出てきます。昔から笹は2・8(2月、8月)に刈れと言われるように、年に2回ほど切ると、根っこは養分を使い果たし、細く勢いが失われた笹となります。途中休憩をはさみ、2時間ほどの作業でしたが、終わった頃には身体はポカポカになり、うっすら汗をかいています。
振り返ると、たった4名でしかも3名は女性による作業でしたが、3m以上も前進し、地形が分かるようになってきました。女子パワー、さすがです。
隣の手つかずの笹藪と比べると、手入れをしたという達成感が一目瞭然に感じられます。成果が見える活動は、疲れも心地よいものです。あと5mは刈り進みたいと考えています。
午後はお楽しみタイム。これからの冬の活動を考え、最近、災害時に電気やガスが使用できない時、薪や枝を燃料に火を使えることで巷で関心が高まっている、一斗缶のロケットストーブをつくりました。材料はホームセンターで購入した一斗缶、直径10ミリのL字と直間の煙突パイプ、鉄板、園芸用のパーライト。しめて2500円。もちろん、一斗缶や鉄板はお店で使用済みを頂いたり、自宅にあるものを使えば材料費はもっと安くすみます。
作り方はいたって簡単。一斗缶の上を切り取り、横に煙突の大きさより少し大きめの円を書いて、真ん中に釘で穴を開けたら8等分に切り、缶の内側に折り曲げて煙突を通す穴を開けます。L字のパイプを通したら、直間パイプを煙突部分は一斗缶の上から5~10㎝ほど飛び出す長さに、焚きつけ部分は15~20㎝くらいの長さに切り取り、L字パイプにつなぎます。
缶に園芸用の軽石のパーライトを入れ、焚きつけ部分の空気道をつくるための鉄板を切り取り差し込めば完成!!1時間ほどで出来上がりました。今回は焚きつけ部分を横型と縦型の2台を作り上げました。
早速、細い枝や薪を集めて火入れ式。杉の枯葉などを燃やし、焚きつけ口から枝を入れて火がついたら細い薪をくべていきます。すると空気の流れが煙突に向かい、ゴウゴウと音を立てて勢いよく燃え始めます。煙突から火柱があがるほどの勢いで、完全燃焼のため煙もたちません。まさにロケットのよう。こんなに簡単な構造で、こんなに勢いよく燃える。しかも燃料は山にいくらでもある。ロケットストーブづくりを通して、木質バイオマスエネルギーを利用する暮らしへの理解が広がっていけば、山も元気になっていくのではないでしょうか。雑木林のオーナーの奥さんは、ただ燃やすのはもったいないと、夕飯用のカレーをつくり初めました。
今回は女子が多かったので、ストーブづくりの傍ら、焼き芋もしました。濡らした新聞紙を巻いてアルミホイルでつつみ、薪を燃やしてつくったオキの中に放り込み、しばらくすると、黄金色でホクホクの焼き芋の出来上がり。ストーブと焼き芋で身体の外と中から温まり、ほっこり幸せなひと時を過ごしました。
これから本格的な冬になりますが、ロケットストーブで暖を取れ、料理も作れるので、なんだかワクワクしています。次回の活動では、笹刈り作業の後、調子に乗って一斗缶で燻製器をつくり、チーズやベーコンなどの燻製を作って楽しみたいと思います。興味のある方は、ワインとチーズを持って手伝いに来てください。