natural-ring コイデなきもち。。。

自然とのつながりを感じていたい。日常で出会った環な気持ちを綴ります。

本年もさらに飛躍を目指します

あけましておめでとうございます。

あっという間に過ぎた2014年。振り返ってみると、

小さな小さな団体に割りには、色々なことがあったと

新年にあたり思い浮かべております。

 

里山保全をしようと、親指ほどの太さの笹藪を皆でノコギリで

取り除く活動を毎月1回行いつつ、2月は森林と市民をつなぐ全国の集いで

パネラーとなって私たちの活動を紹介することから始まり、奇麗になった林にツリーハウスを創ろうという新たなプロジェクトの立ち上げ、何と言っても、とても背伸びしながらの自然エネルギーとしての薪の利用を都会で広げるため、薪の生産者から薪ストーブ販売店、ペレットストーブ付きの賃貸住宅を提供する不動産業者、都会で薪ストーブを利用するユーザーなどをパネラーにしたシンポジウムを開催し、100名の参加者たちと考えたイベントの開催。その1週間後には、イギリスに研修旅行に行き、私たちの理念としているナショナル・トラスト運動の現場を訪問。秋には活動に参加する方たちからの声に応え、キャンプイベントを開催し、年末はエコプロダクツ展で薪まきネット「薪バンク」プロジェクトの紹介をするためのブースの出展。フォレスト・サポーターのムックも私たちのブースで薪割り体験をしていただきました。

盛りだくさんの活動でしたが、知り合いになれた方も多く、とても実りのあった2014年でした。

 

都市と農山村を結び、農山村を活性化させていくとともに、生物多様性のある里山の再生、都市部で自然エネルギーとしての木質バイオマスエネルギー利用の拡大といった、私たちの夢をかなえるための地道な活動を今年も進めてまいります。

どうぞ、ご支援くださいませ。

f:id:hitoshi-k:20150104233256j:plain

f:id:hitoshi-k:20140426103718j:plainf:id:hitoshi-k:20140726113544j:plain

f:id:hitoshi-k:20140704195525j:plain

 

f:id:hitoshi-k:20150104233517j:plain

f:id:hitoshi-k:20150104233531j:plain

 

f:id:hitoshi-k:20150104233545j:plainf:id:hitoshi-k:20141213125345j:plain

ナショナルトラスト本部訪問記

ロンドンからコッツウォルズ方面に向かう高速道路M4で1時間ほど西に進んだところの工業タウンのスウィンドンという街のアウトレットモールの一角に、2009年にロンドンから引っ越してきた真新しいナショナルトラストの本部があります。f:id:hitoshi-k:20140627225624j:plain

引っ越してくる前の点在していた支部を集約した結果、1億円のコストダウンを図れたそうです。

ここは、ナショナルトラストが多くのプロパティを所有するコッツウォルズとロンドンの真ん中にあり、どちらも行きやすいということで選ばれたと伺いました。

スウィンドンは、グレート・ウェスタン・レイルウェイが鉄道の街として発展させたところで、この場所も1835年から操業したSTEAMという会社のSL工場の跡地が当時の建物をそのまま使ったアウトレット・ショッピングモールになっています。ナショナルトラストの本部の前庭も、当時tの鉄道の引き込み線のホームの面影を再現されたデザインとなっています。

f:id:hitoshi-k:20140627203831j:plain

f:id:hitoshi-k:20140627225253j:plain

 f:id:hitoshi-k:20140627204135j:plain

本部の建物は、近代的でエコロジカルな作りとなっていました。建物の配置は自然光が入るように東西に、屋根はソーラーパネルが設置されているほか、エアコンを使わないように、空調もチムニーをデザインされた屋根の煙突から15分ごとに外気が入るようコントロールされ、ガラスも二重サッシとなっています。雨水はトイレの洗浄、中庭には小さな菜園や養蜂が行われ、スタッフ食堂の食材に供されています。また、ゴミも細分して73%リサイクルしていたり、印刷機も200台から20台に減らし、50%の紙の節約を達成されたそうです。さらに通勤では車の使用は1人では乗って来てはいけない決まりになっているなど、とてもエコにこだわっていました。

f:id:hitoshi-k:20140627212158j:plain

f:id:hitoshi-k:20140627211945j:plain

f:id:hitoshi-k:20140627211918j:plainf:id:hitoshi-k:20140627205044j:plainf:id:hitoshi-k:20140627210115j:plain

建物自体はナショナルトラストの所有ではなく、モデルハウスとして建てられたところを35年契約で賃借しているそうです。また、内装はナショナルトラストのプロパティで採集された木材や羊の毛などをふんだんに使用していました。1階ロビーのソファとタペストリーは地球の色をイメージした緑、青、茶、黄の4色に分けて並び、普段タペストリーはワイヤーで吊るされているいますが、降ろすとそれぞれが仕切られる工夫が施されています。木材は台風などで折れた木や、管理のために伐採された木を製材したものが使われ、床のカーペットまで用途に合わせて長さの違う羊の毛で作られていました。

f:id:hitoshi-k:20140627205844j:plain

f:id:hitoshi-k:20140627210103j:plain

f:id:hitoshi-k:20140627205428j:plain

f:id:hitoshi-k:20140627210754j:plain

今回の訪問は、ナショナルトラストの会員獲得やボランティアマネージメント、寄附金の集め方などを伺うためにアポイントを入れていましたが、先方の都合でキャンセルとなり、毎週金曜日に行われているボランティアの方による建物ガイドツアーに参加となりましたが、ツアー参加者が自分だけであったため、本来1時間のツアーのことろを2時間も時間を割いて下さり、建物以外のお話も沢山伺うことができました。何故あなたはボランティアをしているのか?と伺ったところ、生きがい、新たな友達づくり、年に1度の旅行やバーベキューパーティーという答えが返ってきました。ボランティア活動の秘訣は?という問いかけには、楽しいおしゃべり、3時のビスケット!ケチらないで3枚ね!とウィットに飛んだ話も楽しく、笑顔がとても素敵でした。社会との接点をとても楽しんでいるようで、こちらも元気をいただきました。

f:id:hitoshi-k:20140627210057j:plain

f:id:hitoshi-k:20140627214858j:plain

今回果たせなかったミーティングは、次回の楽しみにとっておきましょう。

ツアー後のショッピングモールで、ご主人と腕を組んでショッピングを楽しんでいるところにも出会い、とても充実した人生を送られていて素敵だなという印象が残ったナショナル・トラスト本部訪問でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリス ナショナルトラストの旅

6月25日から7月7日まで、ナショナルトラストについて、再勉強するため、イギリスに研修に行ってきました。

f:id:hitoshi-k:20140818184508j:plain

ナショナルトラストは、歴史的・文化的環境と自然環境を永久に残すことを目的に、「1人の人の1万ポンドより、1万人の1ポンド」を合言葉に、1895年、イギリスで生まれた団体で、今では世界最大の環境保全団体と言われています。

f:id:hitoshi-k:20140705211641j:plain

設立の背景は、19世紀の終わり、産業革命が進んだイギリスでは、農地の囲い込み運動をはじめ、石炭の煙による大気汚染、貧富の差の拡大と低所得者層の劣悪な居住環境、子どもや女性の低賃金長時間労働、土地開発による歴史的建造物の消失など、様々な問題が生じていました。この課題を解決しようと、環境改善運動化で、もう一人のナイチンゲールと称される、オクタビア・ヒル女史、法律家のロバート・ハンター、自然環境の保全活動を進める、牧師のハードウィック・ローンズリーの3人が、失われていく歴史的・文化的環境や自然環境を多くの国民から寄附を募り、買い取ることにより永久に残していく運動を推進する団体として、ナショナルトラストを設立しました。

f:id:hitoshi-k:20140818184217j:plain

f:id:hitoshi-k:20140818184210j:plain

f:id:hitoshi-k:20140818184202j:plainf:id:hitoshi-k:20140818181748j:plain

(オクタビア・ヒル)

f:id:hitoshi-k:20140818181848j:plain

(ロバート・ハンター)

f:id:hitoshi-k:20140818181715j:plain

(ハードウィック・ローンズリー)

ピーターラビットで有名な絵本作家のビアトリクス・ポターは若いころ、ハードウィック・ローンズリーと出会い、深く感銘し、湖水地方の美しい農村風景を守るため、絵本の印税で農地の買い取りに情熱を注ぎました。やがて彼女が亡くなった際、買い取った農地をナショナルトラストに遺贈し、今日でも当時のままの風景が残されています。

f:id:hitoshi-k:20140704182035j:plain

f:id:hitoshi-k:20140704195532j:plain

ビアトリクス・ポターの家)

 

ナショナルトラストは、多くの国民から寄附や寄贈、遺贈を受け、歴史的・文化的環境や自然環境を取得し、公開しながら永久に残す運動を進めており、設立から100年以上経った現在では、300を超える歴史的建造物や庭園、1206キロに及ぶ海岸線、25万ヘクタールのカントリーサイド、73,000の古代遺跡、100万以上のコレクションなどを所有する、イギリスでは王室、政府に次ぐ資産を保有する団体となっています。中でも、ドーバー海峡に面する石灰岩の白い崖が続くセブンシスターズクリフと呼ばれる美しい海岸線や、村をまるごと所有するレイコックビレッジなど、スケールの大きさには大変驚かされます。最近では、リバプールのジョンレノンやポールマッカートニーが子どものころに住んでいた家もナショナルトラストに寄贈され、話題となりました。

f:id:hitoshi-k:20140818181919j:plain

(セント・マーガレット湾)

f:id:hitoshi-k:20140630230332j:plain

(レイコック・ビレッジ)

 

ナショナルトラストは資産を公開しながら保存しています。このため、これらを守るため、5200人のスタッフと71000人のボランティア、400万人の会員で支えられています。会費は年間58ポンド。現在1ポンド175円程度ですので、10,000円といったところでしょうか。会員になると、保存されたガーデンや建物に無料で入れます。会員以外ですと、入場料が必要なため、イギリス旅行で風光明美なとことを訪れると、大抵ナショナルトラストが所有しているため、5~6か所ほど訪れると元を取ることができます。また、会員にはその年のステッカーが配られ、車のフロントガラスに貼っておけば施設の駐車場も無料になります。

 

それにしても、400万人の会員で年会費1万円というと、年間400億円!会員以外の入場料の収入を合わせても、きっと500億円以上の収入となっているのではないでしょうか。こちらのスケールの大きさにも驚きます。

 

今回の旅の目的は、この世界最大の環境保全団体であるナショナルトラストを訪れ、資産を守るための取り組みや会員の獲得方法、ボランティア活動を継続させる秘訣、新しいボランティアメンバーの確保などについて本部を訪れて伺うとともに、実際に保存・公開されている場所を巡るものでした。

f:id:hitoshi-k:20140627225351j:plain

順次、整理がつき次第、旅行記をアップしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女子力~ツリーハウスプロジェクト#3~

 f:id:hitoshi-k:20131207104054j:plain

あとちょっとだ!

9月から始まった、長期間管理放置されていた雑木林の笹刈り活動。人の指ほど太くなり、背丈も2mを超える笹藪をノコで伐り払い、その先にあると言われている、昔は使われていた通路にたどりつくまで作業を進めています。

f:id:hitoshi-k:20131207122737j:plain

ムクノキの黄葉が奇麗な12月9日、3回目となる笹刈り作業を行いました。今回は、私たちの活動を紹介いただいた記事を読んだ方や、イベント参加されたリピーターなど5名が参加。遠くは千葉県から車で駆けつけた方も。なんと4名が女性。スタッフを含め、男性2名、女性5名での作業となりました。里山保全活動も、女子力の時代になってきたのでしょうか。

f:id:hitoshi-k:20131207112342j:plain

さっそく森に行き、手入れしたところと放置されたところを見比べ、地面に光が入ることにより、多様な生物の生息環境が育まれることなどを話しながら作業を開始。横一列に並んで笹を刈り進む作業を2時間ほど行いました。そろそろ作業を止めてお昼にしようとした時、半信半疑だった通路らしきものが突然目の前に現れてきました。ゴールが見えたとたん、疲れてお腹も空いていましたが、あとちょっと!という空気が流れ、予定より30分オーバーしましたが、とうとう通路まで刈りつくすことができました。やり遂げた爽快感は格別なものです。今後はさらに横方向の笹を刈り広げていく予定です。

f:id:hitoshi-k:20131207120822j:plain

 

f:id:hitoshi-k:20131207121825j:plain

 

f:id:hitoshi-k:20130324154928j:plain

 

f:id:hitoshi-k:20131207103038j:plain

お昼は、前回の活動で作ったロケットストーブで、地元野菜を使った煮込みうどん。

吉見町で評判のうどん屋さんから仕入れたうどんを入れて煮込みました。千葉から来た参加者からは、手作りケーキが振る舞われ、デザート付きのランチとなりました。こういう気の利いたことも女性ならではのものです。

 f:id:hitoshi-k:20131207132016j:plain

 

f:id:hitoshi-k:20131207133944j:plain

午後はお楽しみタイム。今回は一斗缶で燻製器を作りました。f:id:hitoshi-k:20131207131956j:plain

皆で手分けして缶に穴をあけ、一斗缶サイズに網をつくり、網2段の燻製器が1時間ほどで完成。

f:id:hitoshi-k:20131207141532j:plain

さっそく桜のチップでベーコン、茹で卵、チーズ、ソーセージを乗せて燻すと、ほどなく白い煙が立ち上がり、30分ほどで蓋をあけると、こんがりと良い色に仕上がっていました。

f:id:hitoshi-k:20131207144017j:plain

f:id:hitoshi-k:20131207144614j:plain

f:id:hitoshi-k:20131207152756j:plain

f:id:hitoshi-k:20131207153602j:plain

 なんとも香ばしい味。ワインにぴったりです。ケーキと燻製、ワインの幸せなおやつタイムとなりました。

f:id:hitoshi-k:20131207155047j:plain

お酒を飲まなかった参加者は、腹ごなしに薪割りを行いました。

 

午前中は作業、午後はお楽しみというスタイルでゆっくりですが活動を進めています。月に1回ほどの活動ですが、都会の暮らしでは味わうことのできない、スローな里山時間を楽しんでいただければと思っています。

次回の活動は、いよいよ冬のメインイベント。1本のコナラを、大きなノコで交代しながら伐採します。

笹刈り作業とお楽しみ~ツリーハウスプロジェクト#2~

今年は秋を楽しむ間もなく冬がやってきました。

薪を通し、都市と農山村をつなげる薪まきネット「薪バンク」プロジェクトを進める私たちは、多くの方の参加により、荒れた雑木林をかつてのような生き物が生息する環境を取り戻しながら、ツリーハウスを皆でつくって楽しもうという活動を9月より進めています。

f:id:hitoshi-k:20130826171236j:plain

2年後の秋には、明るい雑木林に野草が咲き、小鳥のさえずる森の奥に、かわいいツリーハウスが建っていて、都市と農山村の人々の交流の場となることを夢みています。

 

どんよりとした雲が垂れこめ、冬の気配を感じる11月9日の土曜日、2回目の活動を行いました。参加者は女性2名。スタッフ合わせて4名の活動となりました。f:id:hitoshi-k:20131104090334j:plain

前回に引き続き、この日も笹刈り作業。前回刈った場所からさらに前進し、ヤブを切り開いていきました。親指ほどに太くなった笹を刈るため、道具は剪定ノコを使用。地面ギリギリに笹を刈り払っていきます。ここまで太くなった笹は、根っこに養分を残しているため、刈ってもすぐに新しい笹が出てきます。昔から笹は2・8(2月、8月)に刈れと言われるように、年に2回ほど切ると、根っこは養分を使い果たし、細く勢いが失われた笹となります。途中休憩をはさみ、2時間ほどの作業でしたが、終わった頃には身体はポカポカになり、うっすら汗をかいています。

f:id:hitoshi-k:20131109105044j:plain

振り返ると、たった4名でしかも3名は女性による作業でしたが、3m以上も前進し、地形が分かるようになってきました。女子パワー、さすがです。

 

隣の手つかずの笹藪と比べると、手入れをしたという達成感が一目瞭然に感じられます。成果が見える活動は、疲れも心地よいものです。あと5mは刈り進みたいと考えています。

f:id:hitoshi-k:20131104090349j:plain

f:id:hitoshi-k:20131109123802j:plain

午後はお楽しみタイム。これからの冬の活動を考え、最近、災害時に電気やガスが使用できない時、薪や枝を燃料に火を使えることで巷で関心が高まっている、一斗缶のロケットストーブをつくりました。材料はホームセンターで購入した一斗缶、直径10ミリのL字と直間の煙突パイプ、鉄板、園芸用のパーライト。しめて2500円。もちろん、一斗缶や鉄板はお店で使用済みを頂いたり、自宅にあるものを使えば材料費はもっと安くすみます。

 

作り方はいたって簡単。一斗缶の上を切り取り、横に煙突の大きさより少し大きめの円を書いて、真ん中に釘で穴を開けたら8等分に切り、缶の内側に折り曲げて煙突を通す穴を開けます。L字のパイプを通したら、直間パイプを煙突部分は一斗缶の上から5~10㎝ほど飛び出す長さに、焚きつけ部分は15~20㎝くらいの長さに切り取り、L字パイプにつなぎます。

f:id:hitoshi-k:20131109151512j:plain

缶に園芸用の軽石のパーライトを入れ、焚きつけ部分の空気道をつくるための鉄板を切り取り差し込めば完成!!1時間ほどで出来上がりました。今回は焚きつけ部分を横型と縦型の2台を作り上げました。

f:id:hitoshi-k:20131109181707j:plain

早速、細い枝や薪を集めて火入れ式。杉の枯葉などを燃やし、焚きつけ口から枝を入れて火がついたら細い薪をくべていきます。すると空気の流れが煙突に向かい、ゴウゴウと音を立てて勢いよく燃え始めます。煙突から火柱があがるほどの勢いで、完全燃焼のため煙もたちません。まさにロケットのよう。こんなに簡単な構造で、こんなに勢いよく燃える。しかも燃料は山にいくらでもある。ロケットストーブづくりを通して、木質バイオマスエネルギーを利用する暮らしへの理解が広がっていけば、山も元気になっていくのではないでしょうか。雑木林のオーナーの奥さんは、ただ燃やすのはもったいないと、夕飯用のカレーをつくり初めました。f:id:hitoshi-k:20131109162509j:plain

今回は女子が多かったので、ストーブづくりの傍ら、焼き芋もしました。濡らした新聞紙を巻いてアルミホイルでつつみ、薪を燃やしてつくったオキの中に放り込み、しばらくすると、黄金色でホクホクの焼き芋の出来上がり。ストーブと焼き芋で身体の外と中から温まり、ほっこり幸せなひと時を過ごしました。

f:id:hitoshi-k:20131109161723j:plain

これから本格的な冬になりますが、ロケットストーブで暖を取れ、料理も作れるので、なんだかワクワクしています。次回の活動では、笹刈り作業の後、調子に乗って一斗缶で燻製器をつくり、チーズやベーコンなどの燻製を作って楽しみたいと思います。興味のある方は、ワインとチーズを持って手伝いに来てください。

 

 

 

 

夢の実現に向けて~ツリーハウスプロジェクト~

f:id:hitoshi-k:20130927151923j:plain

天高く馬肥える秋。

たわわに実った稲穂が頭を垂れ、収穫の時期を迎えました。

9月28日、私たちが活動している埼玉県吉見町の里山で、ツリーハウスプロジェクトの第1弾イベントを開催しました。

私たちは、薪を通じて都市と農山村をつなぎ、地域の活性化と荒れた雑木林や間伐が進まない人工林の再生を進める薪まきネット「薪バンク」事業という活動をしています。

f:id:hitoshi-k:20131006133822j:plain

今日は、その一環で実施するイベント。荒れた雑木林を再生し、そこにツリーハウスを創っていこうという呼びかけに、東京から14名の方が集いました。

f:id:hitoshi-k:20130928102039j:plain

みんなの挨拶を終え、プログラムのスタート。まずは、関東平野を一望できるポンポン山に登ります。吉見町は百穴で知られていますが、ここも観光スポットの一つ。折り重なった岩盤に空洞が出来て、歩くとポンポン反響することから「ポンポン山」と言われています。みんな、どこが一番鳴るか、足を強く踏み叩いて探しました。

f:id:hitoshi-k:20130928103453j:plain

f:id:hitoshi-k:20130928103834j:plain

続いて、里山散策。薪や炭、腐葉土を必要としなくなり、経済価値が無くなった里山は、定期的な下草刈りがされず、笹が生い茂り、林床は太陽の光が届かないため、野草が生えていません。また、15年~20年ごとに伐採してきたコナラやクヌギも放置され、太く育っている様子を観察し、里山の自然は人が関わることの大切さを伝えました。

f:id:hitoshi-k:20130928105217j:plain

いよいよ、ツリーハウスを創る場所に到着。まずは不法投棄されたゴミを一か所に集める作業。1000万円が出てきたら、皆で山分けだ!と言いながら、よくもこんな物を捨てたもんだとあきれながら土に埋まった色んなゴミをかきだします。人が自然と関わらなくなると、こういうことになるのかといった感想も聞こえます。

f:id:hitoshi-k:20130928110955j:plain

 f:id:hitoshi-k:20130928110635j:plain

お母さんと一緒に小さな子も、一生懸命ゴミを運んでくれました。

30分の作業で、軽トラック2台分のゴミの山。まだまだ捨てられていましたが、今日はここまで。

f:id:hitoshi-k:20130928122124j:plain

続いて、親指ほどの太さの笹刈り作業。ノコを手に、横に並んで前に切り進みます。

f:id:hitoshi-k:20130928113234j:plain

ザクザクとノコを引き、どんどん刈り進んでいきます。小1時間ほどの作業で、かなりの笹藪が刈り払われ、太陽の光が差し込む原っぱが復元しました。

f:id:hitoshi-k:20130928122423j:plain

一人ではとてもじゃないけどやる気が起きない作業ですが、みんなでワイワイと1時間ほど作業すれば、あっという間にこんなに奇麗になります。心地よい汗をかき、お昼になったので作業を終了し、おまちかねのランチタイムとなりました。

f:id:hitoshi-k:20130928125444j:plain

f:id:hitoshi-k:20131006133850j:plainランチは、新米ご飯と豚汁。

収穫したての減農薬の特別栽培米コシヒカリを外釜戸に薪をくべ、羽釜で炊きました。今回は、3升の米を電気炊飯器と羽釜に半分ずつ分けて炊きあげました。5升炊ける羽釜に1.5升しか入れなかったので、火加減が難しく、ちょっと焦げてしまいましたが、焦げのない電気炊飯器で炊いたご飯と食べ比べたところ、まったく別物の味。あっという間に羽釜のご飯は無くなりました。

f:id:hitoshi-k:20130928125653j:plain

 f:id:hitoshi-k:20130928125304j:plain

おにぎりを握る方や、そのまま皿に盛る方など、食べ方はそれぞれ。

f:id:hitoshi-k:20130928125725j:plain

f:id:hitoshi-k:20130928130357j:plain

お弁当を配るほうが、運営者としては楽なのですが、美味しい!と何杯もお代わりをしている参加者を見ると、手作りして良かったなと思うひと時です。羽釜で炊いたご飯は、おかずいらず。ほんのちょっと塩をかけるだけで何杯も食べられます。大満足のランチタイムとなりました。

f:id:hitoshi-k:20130928133624j:plain

お腹も満足になったところで、今後の活動についての話し合い。午前中の活動の感想や、参加者の皆さんが普段行っている活動を紹介していただきつつ、今後のツリーハウス作りに向けた意見や思いなどを語り合いました。

ツリーハウスを2棟つくり、その間をロープに滑車をつけてぶら下がって行けるようにしたい!、石窯を作りピザや色んなものを焼きたい!ハンモックを吊るしたい!ステージを作って森のコンサートを行いたい!と、夢がどんどん広がります。

夢の実現に向け、まずは笹刈りを完了しようということになり、参加者の増やし方を考えました。参加者の一人からは、自分が活動する団体の外国人ボランティアに紹介するという嬉しい発言や、知人友人を誘うなど、色々な提案などをいただきました。

2年を目途にツリーハウスを完成しようということを決め、今回のイベントは終了。

f:id:hitoshi-k:20130608160920j:plain

終了後は、時間のある方に残っていただき、薪割り作業を手伝っていただきました。

f:id:hitoshi-k:20130928142410j:plain

昔ながらの薪割り、手動式の手押し圧縮による薪割り機、エンジン式薪割り機に分かれて薪づくり。あっという間に沢山の薪が完成。これも人海戦術の力です。きっと帰りの東松山駅前で美味しいビールと焼きとりを食べることができたでしょう。

f:id:hitoshi-k:20130928142838j:plain

f:id:hitoshi-k:20130928143451j:plain

f:id:hitoshi-k:20130928142725j:plain

突然始まった作業に、薪棚の上で気持よさそうに寝ていた猫が何事か?とびっくりした様子で作業を眺めていました。

f:id:hitoshi-k:20130927141723j:plain

ツリーハウスを合言葉に、色々な人が集い、知恵や力を合わせて里山を再生する活動がいよいよ始まりました。もっと多くの方が集まれば、もっともっと色んな活動が広がります。ご興味のある方は是非ご協力ください。

f:id:hitoshi-k:20130928122237j:plain

 

 

雑木林の再生に向けて

里山。かつては日々の暮らしを支える燃料や畑の堆肥を得る生産場所として、人が常に関わり続け、保たれてきた自然環境。

やがて、薪や炭はガスや石油、電気に変わり、堆肥も化学肥料が主流になるにつれ、経済価値が失われ、管理されなくなってしまいました。人が管理することで保たれたきた自然環境も、手放してしまった結果、今では人の親指ほどの太さになった笹が藪をつくり、不法投棄の場所になっています。

f:id:hitoshi-k:20130901103839j:plain

雑木林の春は、冬に燃料やシイタケのホダギを生産するために伐採したコナラやクヌギの切り株から新芽が沢山生えてきます。夏は新芽や若木を背丈の高い草や、巻きついて被ってしまうツタに負けないよう、下草刈り作業。晩秋から冬にかけは、せっせと落葉をかき集め、腐葉土を作り、冬には伐採というサイクルで管理します。

f:id:hitoshi-k:20130629152728j:plain

下草刈りされた地面には、冬場は太陽の光が差し込み、地面の温度を温めます。定期的に下草刈りをすると、競争力の弱い草も育ち、様々な野草が顔を出します。色々な花が咲くことで蜜を吸いになってくる昆虫が訪れ、昆虫を捕食する小鳥や小動物、そして小鳥や小動物を食べる蛇や大型の野鳥などがやってきて、生き物のにぎわいも育まれます。

荒れた雑木林を再生し、かつてのような生き物がにぎわう自然を取り戻し、次の世代

引き継いでいきたいと、埼玉県吉見町の荒れた雑木林の再生活動を進めています。

f:id:hitoshi-k:20130901103852j:plain

9月とはいえ、まだまだ猛暑日が続く日曜日、照りつける日差しを恨めしくおもいつつ、意を決し、笹刈り作業を開始しました。太く、背丈以上となった笹を刈払機でちょっと払うと、道沿いには案の定、色々なものが捨てられています。

f:id:hitoshi-k:20130901111914j:plain

とりあえず一か所に集め、3mの幅で刈り進みました。時々、刈り払われた笹を片づけるのですが、藪の中は風がなく、蒸し暑いため、笹を集めるたびにしゃがんだり立ったりすると汗だくになります。それでも、スポーツドリンクで水分補給をしつつ、90分ほど作業をすると、藪の中にぱっかりと道が開けました。

f:id:hitoshi-k:20130901111919j:plain

雑木林の再生。元のような自然環境を取り戻すには、とても一人では埒があきません。一緒に、シャツも絞れるほどの気持ち良い汗をかきましょう!良い汗かいて美味しいビールを飲みましょう!沢山の生き物が住める環境を再生しましょう!といっても、よほどの人でない限り、キツイ作業を何度もする人はいないでしょう。何だか面白そう!という、ワクワクするような夢のある目標を設定しないと、夏や冬の作業に参加するモチベーションを保つことは難しいものです。

 

埼玉県吉見町の活動地。多くの人が楽しみながら参加する目標はないかと考えていたところ、6月に開催した小菅村イベント時に目にしたツリーハウスや、自然体験活動を指導している町田の保育園で職員が手作りしたツリーハウスを思い浮かべました。

f:id:hitoshi-k:20130608160920j:plain

f:id:hitoshi-k:20130826171236j:plain

今は藪だけど、皆で汗を流して明るい林に戻し、やがてそこにツリーハウスを作る。その周りに石窯をつくり、料理を楽しんだり、木々の間にハンモックを吊るし、ゆらゆら揺られて昼寝を楽しんだり、森のカフェや森のコンサート、森の楽校などを開催する。明るい林には沢山の野草が咲き、冬に伐採されて切り株から育った若い木にカブトムシやクワガタが樹液を吸いにやって来て、親子が昆虫採集を楽しむ。。。

色んな夢が膨らみます。

 

9月28日(土)、ツリーハウスを創ろう!と題し、笹刈りイベントを行います。お昼は雑木林を所有する農家が作った、採れたての新米を各自でおにぎりにして食べます。薪を燃やし、釜戸で炊いた銀色に輝く新米の味はオカズもいらない最高の贅沢。

午後は、どんなツリーハウスを作ろうか、どんな活動をしていこうかなど、夢を膨らませつつ、実現に向けた取り組みの話し合い。

f:id:hitoshi-k:20130901103852j:plain

 今は荒れ果てた雑木林ですが、 一つ一つ、皆で協力しながら作業を進め、生き物も人もにぎわうヤマに再生させていく。

そんな夢を共有するプロジェクトがいよいよ始動します。