幼児の自然体験活動
渡りの途中、梢で休むカッコウがさえずる町田市成瀬にある成瀬山。
昨日は、2008年度から自然体験活動指導をしている保育園の今年度第1回目の活動でした。年長と年中の子どもたちを自然に連れ出し、自然と触れる楽しさ、不思議、発見を通し、生きているものを大切にする心、協力しあう心、助け合う心、共に行動する心などを育てることと、あわせて先生方の自然体験指導のスキルを高めるため、隔月の2時間、2年間、成瀬山をフィールドに行っています。同じ法人が営む別の園でも自然体験活動を指導しているのですが、そちらは年長クラスのみを相手にしているので、同じ内容のプログラムでも勝手が全く違います。また、両園の子どもたちの成長ぶりも比較できるので、得るものが多くあります。
園から歩いて10分のところにある成瀬山。先に行ってしばらく待つと、2人で手を結んで長い列の子どもたちがやってきました。新年長さんは、自分のことを知っているので、久しぶりでも親しげに近寄ってくるのですが、新年中さんはちょっと緊張した様子。落ち着きもありません。そこで、挨拶をした後は、緊張をほぐし、落ち着きと集中力を高めるために、写真に映る道の先に1本立っている木のところまで行って戻ってくる競争を。まずは体力の発散です。ここで、子どもたちの体の発達具合も確認です。今年の年中さんは、どんな感じかな。
落ち着いたところで、森の声が聞こえるようになると、自然あそびは、ものすごく楽しくなるんだけど。。。みんな聞こえるようになりたい?とそそのかし。子どものワクワク感が高まっています。そこで、目を閉じてどんな音が聞こえるか数えてみることに。目をぎゅっとつぶり、小さな手で1つ2つと指を立てる姿はとても可愛らしい風景です。何が聞こえた?という問いにカッコウ、ウグイス、シジュウカラ、ヒヨドリ、カラス・・・声を真似して教えてくれます。なかには、隣の友達の息なんていう答えも。いろんな音が聞こえたようです。
さて、いよいよ今日のあそびの説明。紙を木に張り付け、クレヨンで擦り出して模様を写す「木のたくぼく」。3人1組になり、気に入った木を見つけたら、まずは幹をいっぱい触り、デコボコやザラザラ、スベスベを手のひらでいっぱい感じ、紙に擦り出されるイメージを膨らませます。次に紙の両端を2人の友達が押さえ、1人がクレヨンを横に持って上から下に擦りつけます。先生2人に協力してもらい、やり方をデモし、奇麗に写した紙を子どもたちに見せると、もう目がランラン。早くやりたいモードが充満しています。
さーはじめよう!という合図で一斉に森に分け入った子どもたち。我先にお気に入りの木を見つけようと山に駆け上っていったかと思うと、駆け下りてきたり。年中さんは初めての自然体験。山のデコボコ道に慣れてないため、バランスを崩して転んでしまうのも、年度はじめの光景です。横を見ると、斜面を怖々上ってい年中さんに手を差し出す年長さん。しっかりお兄さんをしています。微笑ましく見ていると、後ろのほうでは虫が怖いと鳴き騒ぐ女の子。森の中は大賑わいです。何とか1人2枚のたくぼくを作り、無事に終了。今日の復讐を兼ねて葉や枝のたくぼくを取ることを宿題としました。秋の展示会には、余白を手でちぎり、模造紙に糊づけしたとてもカラフルな大きな木の絵が作られます。
今年度1回目の活動は、聴覚、触覚をメインとした自然体験。転んだ子も虫が怖いと泣いた子も、またこの山に来たいと言ってます。自然体験を通し、ボディバランスが良くなって転ばないようになったり、怖がっていた虫を掴めるようになっている姿を、新年長さんの去年の今頃を思い浮かべながら想像しました。
これからの1年の成長が楽しみです。