natural-ring コイデなきもち。。。

自然とのつながりを感じていたい。日常で出会った環な気持ちを綴ります。

生き物のつながり

 

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夏の雑木林。生き物の息吹を感じます。

今日は、隔月に自然体験指導に通っている町田市成瀬にある保育園で、今年3月に卒園した子どもたちが集まる催しで、今年の年長さんと小学1年生の合同での自然体験活動をしてきました。卒園から3カ月、ちょっと大人っぽくなった子どもたちと再会し、みんなで虫探しをしました。

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真夏の草はらで、走り回る子どもたち。さすが子どもは元気です。4つのグループに分かれ、虫さがしスタート。一斉に草はらや林の中に入ると、早速バッタやトンボ、カブトムシを発見!あっという間に虫かごがいっぱいになりました。小学校に入ってからは、林の中に来ることも少なくなったようで、みんな興奮しています。

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楽しいひと時を過ごし、年長さんと別れて卒園児とランチを食べていると、とたんに甘えだし、先生にまとわりつき始めました。年長さんの前では、お兄さんお姉さんぶって我慢していたんでしょう。甘える姿は保育園児に戻っていました。

 

ランチが終わり解散となって、自分はその足で、里山キッズ活動を指導するため、電車とバスを乗り継ぎ、町田市忠生のいつものフィールドへ。

今日は夏休みだったので、いつもは3時過ぎにならないと集まらない子どもたちも、2時過ぎから集まり、スケジュール通りにスタート。始まる直前に、光化学注意報が発令されてしまい、急遽屋内での活動に変更し、竹を切って8月に予定している流し素麺用のお椀づくりを行いました。その後、注意報が解除されたので、雑木林の散策に出かけました。

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ヤマユリがあちこちで咲き、林の中がお花屋さんのような匂いだ!とみんなで喜んでいると、誰かがカラスかフクロウに食べられたのか、頭だけとなったカブトムシや、クスサンという蛾の大きな幼虫を見つけ、みなギャーギャー騒いでいます。f:id:hitoshi-k:20120721110933j:plain

カブトムシはいるかな?と思いながら、毎年樹液をいっぱい出して、いつも何かしらの昆虫がいる木を覗くと、今年はまったく樹液を出していません。そういえば、午前中の林でも、毎年たくさん樹液を出していた木が、今年はまったく樹液が出ていませんでした。どうしたことなんでしょうか。

 

そんなことを考えていると、子どもたちがまたまたギャーギャー!!先ほどのギャーより大きな声で騒いでいます。騒いでいる場所に行ってみると、そこには卵を飲み込んだアオダイショウがじっとしています。みんな久しぶりにヘビを見たので大興奮。

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山を手入れすると、ヤマユリなど、色んなお花が咲き、蜜を求めて昆虫が来て、それを食べに・・・といつも話をしていますが、今日はヤマユリの匂いに誘われ、チョウがひらひら舞っていたり、ヘビが卵を食べている様子を見て、子どもたちは生き物の繋がりを実感したのではないでしょうか。

 

 

チェーンソー講習

 

 

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梅雨が明け、うだる猛暑のなか、里山ではヤマユリの豪華な花に目を惹かれます。

18日、19日の2日間、日の出町にある東京都森林組合にて、伐木等の労働安全衛生特別教育を受講してきました。いわゆるチェーンソー講習会。事業者は従業員がチェーンソーを扱う際は、この教育を受けねばなりません。

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学生時代、チェーンソーの扱い方を習い、その後も個人的には使って知識や技術は積んできましたが、山を生業としている方には絶対条件の講習ですが、自分が行っている里山保全活動ではチェーンソーは扱わなかったので、特別教育は受けてきませんでした。また、自分のこだわりで、ボランティア活動で年に1~2本程度しか伐採しないような場合は、機械で一気に切り倒すのではなく、みんなでゆっくりとノコをひき、木と対話しつつ、人と自然との関わりを感じながら切ってほしいという願いがあって、ノコギリやナタなどの手道具で安全に木を切ることに、ずっとこだわってきました。

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この度、自分が副代表を勤めるNPO法人ナチュラルリングトラストで、薪をキーワードに、山村と都市を結び、自然環境の保全と山村の活性化を図るプロジェクトが立ちあがり、薪割り体験イベントなどでチェーンソーを扱うことが多くなることから、再勉強を兼ね、講習を受けることにしました。

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講習は2日間とも9時から夕方6時まで、みっちり。1日目は関係法令や、木の切り方から枝の払い方、丸太を4mなどの長さに揃える玉切り作業の仕方、チェーンソーの構造などの講義。2日目はチェーンソーの分解、刃の研ぎ方、そして実技。参加者の顔ぶれは、チェーンソーを持ったことが無い人から、自分のような者まで。職業も鉄道会社や水道局職員、林業従事者、建設業、造園業、シルバー人材センターで庭木の仕事をしている方、そして森林ボランティアなど、女性10数名を含む48名が参加。1日目の講義では、クーラー故障のため30℃もある部屋のなか、みんな熱心に鉛筆を走らせ、2日目の実技では、今年最高気温となった屋外で、長袖や足の怪我を防ぐための防護を着用し、汗だくになりながらの講習。とても暑い2日間でした。普段は自分も木の切り方や安全管理などを教える立場なのですが、今回は教わる側。チェーンソーの安全教育の大御所と呼ばれる講師の経験豊かな話を伺い、多くのことを学ぶことができました。

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自動車をはじめ、便利な機械も扱い方を間違えると、とたんに牙をむき猛獣と化します。見よう見まねでチェーンソーを使う方も多くいるとか。林業家でさえ一番事故が多いのはチェーンソーを扱っているとき。基本をしっかり身につけることと、無理をしないこと、機械は怖いものだと自覚することがいかに大切であるかなど、改めて色々考えることがあった有意義な2日間でした。そして、切ってもお金にならないから放置されているスギやヒノキの間伐や、里山の雑木林の更新を促進するためにも、多くの人が自然エネルギーとして薪や炭を使うようになるには、どうしたら良いかを考える2日間でもありました。     

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今回の講習会。会場案内が届いて驚いたことに、道を隔てた向かい側の山は両親が眠る霊園。お盆にお墓参りしなかったから、呼ばれたのかと思いつつ、講習が終わってから急いで花と日本酒を買い、修了証も一緒に供えて、講習修了の報告をして家路につきました。

 

笹刈り

 

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夏の雑木林。笹や草の勢いが増し、ちょっと見ないと草ぼうぼうの藪になってしまいます。放っておくと、笹があたり一面覆い尽くし、草も強いものだけが伸びてしまい、その葉に日差しを遮られた植物が、いつの間にか消えてしまうことがあります。なかには、都会では珍しくなった草木も。f:id:hitoshi-k:20120203212031j:plain

笹はすごく繁殖力が強く、しばらく放っておいたところでは、鉛筆くらいの太さになり、切っても根っこに残った栄養分で、またすぐ伸びてしまいます。昔から笹は2・8に切れと言われていて、夏に切っても、また伸びてくるので、冬にもう一度切る。すると、栄養分を使い果たして勢いを失い、次に伸びてくるときは、か細くなって背もあまり伸びません。そうなると夏に1回だけ切れば良くなります。手入れが放置された里山の保全活動の第1歩は、まずはこの笹刈作業からから始まります。

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子どもたちと月2回行っている里山キッズ。この前の活動では、都会では珍しくなったコウヤボウキという、とても背の低い木が笹に隠れて日差しを受けることができなくなっていたので、30分ほどヤブカと戦いながら、みんなで笹刈り作業を行いました。利き手の軍手は、ノコギリ鎌を持つと滑るので外し、地面ギリギリのところから、笹を刈っていきます。この活動に参加して3年目にもなる子どもたちは、もう慣れた手つき。

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低学年の子どもたちは、上級生が刈った笹を集めて、1か所に積む作業。いつの間にか、早く集めて、何度も運ぶことがゲームになっています。遊びの天才。あっという間に、笹に隠れていたコウヤボウキや、ユリの仲間の野草などが顔を表しました。こうして、たくさんの草木に太陽の光が当たるようになると、いっぱいお花が咲いて、蜜を吸いに色んな昆虫がやってきて、それを食べに小鳥が来たり、小鳥を食べに…と、生き物のつながりの話を、汗をぬぐいながら説明しています。何年も繰り返しになりますが、子どもたちは体験を通して学んでいます。

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高野山の僧侶が、この木の枝を集めて箒にしたから、コウヤボウキという名前がついたと言われていますが、実際はそんなことは無かったとか。里山キッズ活動では、たくさん増やして、いつか箒を作ってみたいと思います。

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笹刈りしているところでは、あちこちの木々にアオバハゴロモの幼虫が、たくさんいました。子どもたちが、口ぐちに白い綿がついている!というので、白い部分をなでてあげました。すると、綿だと思っていたのに、何かが次々にピョーンと飛んでいく様子を見て、子どもたちはびっくり大興奮。やっぱり動くものが一番興味を誘うようです。

 

 

植物の和名

 

休日の土曜。朝から雨でしたが、お昼頃やんだので、朝ごはんも食べていなかったから、昼食と近くのスーパーに買い物に行こうと、家をでました。せっかくなので、ちょっと公園でも歩いていこうと少し寄り道。

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公園の縁には、葉や茎を揉むと、とても臭い匂いがすることから名がついた、ヘクソカズラが咲いていました。お灸のもぐさの形にも似ているから、ヤイトバナとも呼ばれています。クリスマスシーズンは、このツルがリース作りに重宝します。

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かつて雑木林だった公園では、イヌシデの実も風にゆられていました。イヌシデの名は、神社の鳥居に下がっている、白い紙を幾重にも折ったシデに実が似ていることからと言われていますが、改めて見るとなるほどと思えます。

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ふと、植え込みを見ると、家にもよく植えられているおなじみのアベリアのたくさん花。自分はこの花をアベリアと呼ばず、和名のハナゾノツクバネウツギと呼んでいます。それは、花が沢山さく様子が花園のように見えること。

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そして、実が正月に遊ぶ羽つきの羽に似ていることからツクバネ。実についた羽がプロペラとなって、クルクル回転しながら落ちてるので、すべり台の上から落として遊びます。

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さらに、枝の中が空になっているから「空木(ウツギ)」。全部合わせて「ハナゾノ」「ツクバネ」「ウツギ」。正しく、花と名前が一致している植物です。

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次に目についたのが、実をたくさん付けたエゴノキ。この木の実には、サポニンという石鹸の成分が含まれていて、水を入れたバケツに実を沢山いれてかき混ぜるとブクブク泡がたちます。川に流すと魚が浮いてくるらしく、人が口にしてもすごくエグイんだろうなと想像がつきます。

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そんなエゴノキを眺めていると、いくつかの実が変形しています。これはエゴノキが好きなアブラムシのしわざ。

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まるで猫の足のような形になることから、このアブラムシの名は、エゴノネコアシアブラムシ。

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植物や動物の和名の由来を調べると、日本人の自然を見る感性の高さに感嘆します。もっと紹介したいのですが、それはまた改めて。

 

今年の七夕は、あいにくの天気。雲にさえぎられて星空は見えませんが、無事に天の川では織姫と彦星は再会できたのでしょうか。

「いつまでも、自然豊かな日本であり続けますように」

公園で、ミンミンゼミの初鳴きを聞きました。いよいよ夏です。

 

 

 

 

 

東京めだか

 

里山、小川、生き物と連想すると、必ず思い浮かべるおなじみのメダカ。世界一地方名が多い魚とも言われ、新潟などでは食用にもされているそうです。また、ボウフラが大好きなため、庭先の水鉢で飼う方もいたりと、日本人に最も親まれてきた魚です。

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ところが現在では、環境省のレッドデータリストの絶滅危惧種に指定されるほど減少しています。原因は、環境汚染や開発もさることながら、外国産でメダカに良く似たカダヤシや、ペットショップで売られている黄色い体のヒメダカが放され、在来の黒いメダカを駆逐したことと、水田の用排水路が改良され、小川から水田に進入できなくなったことがあげられています。

f:id:hitoshi-k:20070526043242j:plainカダヤシ

 また遺伝子レベルでの減少も見られます。メダカは大きくわけて北日本型と南日本型があり、南日本型はさらに東日本グループ、瀬戸内グループ、山陰グループ、九州グループなど、9種のグループに分けられています。東京のメダカは東日本グループに属していますが、メダカは日本各地で採取され、あちこちで盛んに放流されてきたため、自然が豊かなところでさえ、色々混ざり合っていて、生粋の遺伝子を保つ東京産メダカはほとんど絶滅しています。

 

とても貴重な東京めだかですが、世田谷の某庭園の池では昔からその存在が一部の人たちの間で知られていました。新潟大学ではこの場所から採集して飼育し、私たちも20年以上メダカの生息する環境を見守ってきました。そんな状況のなか、東京都の野生生物保全センターが平成18年度から、東京めだかの保全に乗り出し、この地のメダカの遺伝子を調べたところ、東京在来のメダカであることが判明し、一部を採集して葛西臨海水族館、井の頭自然文化園、多摩動物園で飼育繁殖を行い、順調に増やしていました。

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ところが昨年、飼育していた世田谷産のメダカの一尾から、体に黄色い班が現れているのが見つかりました。そこで再度、最新技術によるDNA検査を行ったところ、28尾検査して4尾からヒメダカの遺伝子が検出。このため、残念ながらこの池に生息する野生個体群は、東京めだかの規程から外れてしまいました。

 

いつの間に、誰かがヒメダカを放してしまったのでしょうか。それとも、スイレンの花を復元するため移植した水草の根にヒメダカの卵が付着していたのか、はたまたサギやカルガモの足に着いていたのか、何が原因でヒメダカが混入してしまったのかは特定することはできません。新潟大学によれば、平成5年以降にヒメダカが移入したのではないかということでしたが、野外で純系の遺伝子を保つことの難しさを改めて思います。

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残るは、新潟大学で飼育していた世田谷産メダカを平成7年に譲り受け、今は個人宅で飼育している個体群が、東京めだかであることを願うばかり。この夏に行うDNA鑑定の結果が待ち遠しい心境です。

 

野外の池で確認されている東京めだかの生息地は都内で2か所のみ。生粋の東京めだかたちが、いつまでもめだかの学校でお遊戯し続けてほしいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫陽花

 

鎌倉のアジサイもピークを迎え、24日の日曜日は、アジサイ寺で有名な成就院には、多くの人が訪れたと、今朝のニュースで紹介されていました。土壌が酸性だと青色、アルカリ性だと赤色になるというのは、昔学校で習った気がします。

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学生時代は木の勉強をしていたので、今の仕事に勤め始めたときは、さぞや植物には詳しいのだろうと、周囲の方から期待されていたのですが、学生時代の勉強はスギやヒノキ、マツのこと。樹木学という科目もありましたが、針葉樹と広葉樹くらいの差はわかるものの、後はどの木も同じようにみえているような有様でした。

困ったなーと思いつつ、とりあえず毎晩植物図鑑を見ながら床につきましたが、花弁が何枚、葉に鋸歯がある、葉柄がうんぬん・・・頭に入らず3ページも読んでいると、そのまま夢の世界への毎日でした。さてどうしたものかと思っていたアジサイの咲く季節、ある方からアジサイにまつわる話を聞いたことがきっかけで、植物を身近に感じ、それ以降、どんどん植物に関心が向くようになりました。

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その話は、ご存じ幕末にオランダ人と偽って長崎出島にやって来た医者で博物学者のシーボルト。彼は日本滞在中、お滝という女性を結婚し、愛娘を産みますが、スパイ容疑で日本から追放されてしまいました。オランダに戻ったシーボルトは、日本から持ち帰ったアジサイの一種にHydrangea otaksa (ヒドランゲア オタクサ)と学名をつけました。シーボルトはお滝さんと発音できず、オタクサと呼んでいたいたそうで、遠く離れ離れになってしまっても、日本に残したお滝さんを慕い、アジサイにオタクサと命名したというもの。なんともロマンスあるエピソードを聞いてから、植物と人にまつわる話などに関心が高まり、気付くとたくさんの植物の名前を覚えることができました。

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それにしてもアジサイは、中央にある両性花(種をつくる)の周囲に装飾花(種ができない)がある一重額ぶち咲というガクアジサイが原種で、そこから交配を繰り返し、とても多くの園芸品種を作り出されてきました。江戸時代の日本人の園芸技術は世界一だったと言われ、幕末に来た多くの外国人が、貧困層でも花を愛で、軒先に植物を植えていることに驚いたそうです。

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フランスでは、アジサイのことを「ホルテンシア」と言うそうですが、これもオルタンスという女性の名前からつけられたと、異端のフランス文学者と言われた澁澤龍彦が紹介しているそうです。

咲き始めから終わりまで、刻々と花の色を変えることから、アジサイの花言葉は「移り気」。この花に魅了される男性が多いことも、なんとなく解かる気がします。

アジサイを見ると、植物が苦手だった当時の自分を思い出します。

 

 

桑の実ジャム

 

台風一過で夏日となった今日は、毎月2回、町田で小学生の放課後の居場所を提供する「里山キッズ」活動日。年齢の違う子どもたちが一緒に、雑木林の自然に触れ、雑木林を守る活動を行っています。

今日の活動は、桑の実ジャムづくり。前回の活動日に、今日のプログラムを発表したとき、子どもたちの喜ぶ姿を思い出し、フィールドに行きました。

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ところが、前日の台風で、4本ある桑の木の2本が折れ、1本の桑の木は実もついていませんでした。辛うじて1本の桑に、黒く熟した実がぶらさっていました。

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今日の子どもたち、19人いるしスタッフも4人。みんなに食べさせられるジャムができるかな?と不安をかかえながらも、みんなで桑の実採集。一人20個以上拾うように!というと、みんな枝についた実をもぐことに夢中です。

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指導した訳でもないのに、気付くと高学年の男の子が木に登り実をもぎ、背の小さい低学年はボウルをもって落ちてくる実を受け止めていています。学年や体の成長具合による役割分担ができていました。木に登っている男の子は、去年までは登るこができなかったのに、高学年になり、身長が伸びて木に登れる役割になれたことがうれしそうです。ふと見ると、小学1年生の女の子たちは、風で地面に落ちた沢山の実を拾っています。

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ボウルいっぱいになったところで、いよいよジャム作り。水洗いし、へたを取り、軽量カップや秤がないから、桑の実の半分の重さのグラニュー糖の量をあれこれみんなで考え、グツグツ煮込みながら頃あいをみてレモン汁を入れて完成。

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迎えにき来ていた保護者の方にも食べていただく量のジャムができて、スタッフも一安心。あらかじめ作って冷やしておいたゼリーにかけて頂きました。f:id:hitoshi-k:20120115214057j:plain

みんなで作ったジャムの味は格別です。早く来年になってまた作りたい!という子どもたち。きっと来年は、一つお兄さんお姉さんになって、今年の役割とは違った姿が見られることでしょう。

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里山活動を通して見られる、子どもたちの成長が楽しみで、この活動をしているんだよなと思いながら、台風の影響で妙に奇麗な夕焼けを見ながら帰途に着きました。